内製化支援サービスの企画の発端からプレスリリースまででやったこと
CX事業本部 内製化支援チームの阿部です。
早いもので内製化支援サービスのプレスリリースからおよそ3ヶ月が経とうとしています。ありがたいことにこれをきっかけに様々なお客様とお話をさせていただく機会に繋がり、サービスに対してもフィードバックをいただくことができました。まだまだサービスのより良い形、より多くのお客様を支援できる形に向けて発展途上ではありますが密度の濃い経験となっております。ご期待いただければと思います。
さて、今回はこの内製化支援サービスについて企画の発端からプレスリリースを出すまでにやってきたことを振り返ってみたいと思います。それぞれのアクティビティで深掘り出来そうな項目もありますが、今回はどのように試行錯誤しながらその時々に何をしてきたか全体像を掴んでいただこうと思います。
このエントリではコンセプトには触れません。内製化支援サービスのコンセプトについては以前書いた下記ブログをご覧ください。
なお、このエントリで書いてある各種意思決定は、私一人でなしえたことではありません。その過程で様々な方から頂いた率直なフィードバックをもとに、メンバーであるがおりゅーさんと一緒に積み重ねてきたものです。私一人でやっていたら、きっともっと時間もかかって洗練されてないものになっていたと思います。また、途中で掲載している画像はそれぞれ経過で残してあるものです。現在の内製化支援の形とは異なる表現や内容になっていることもございます。
大体のスケジュールとテーマ(月ごと)
- 新しいビジネス案として萌芽!全てはこの図から始まった(2020年10月下旬)
- 内製化支援チーム立ち上げ!サービスコンセプトに至る旅(2021年1月)
- せっかくだからアピールしたいよ!コピーが降りてきた(2021年2月)
- リリース今月だってね、追い込み!後は腹をくくろう(2021年3月)
新しいビジネス案として萌芽!全てはこの図から始まった(2020年10月下旬)
10月下旬に、マネジメントメンバーで集まって、次期以降のCX事業本部がどのような新しいビジネスに取り組むべきかを話し合いました。この時には、
- CX事業本部が置かれている状況
- ビジネスの現場の中で感じているクラスメソッドへの期待値の言語化
- 今それに対して何ができているか
- できないことを放っておいたら起きるリスクは?
あたりのことを話しました。特に何か決まったフレームワークなどを使っていたわけではありません。議題についても試行錯誤しながら割と広げていくように話をしていました。
その時のホワイトボードがこれです。
当然まだ単なる思いつきレベルです。実現可能性などは考慮してません。ただ、この段階でがおりゅーさんがジョインする方向で話が進んでいたため、この二人なら形にできるのでは?という予感で担当者として手を上げました。この時点では私のこの行動も思いつきです。いないところには手を上げろ!
ちなみに、実際にこの後チームとして動き出すのは年が明けてからで、それまではがおりゅーさんと定期的に対話しながら別業務をしておりました(新卒OJTの対応)。
内製化支援チーム立ち上げ!サービスコンセプトに至る旅(2021年1月)
さて、がおりゅーさんジョインして本格的に「内製化支援チーム」として動き出しました。お互いの自己紹介やチームとしてどう動いていきたいか、などは採用プロセスの段階である程度時間をもらって話をしていたのでオリエンテーションが終わったらいきなり「内製化支援サービス」立ち上げに全振りです。
何はともあれサービスのコンセプトです。誰のどういう課題を解決するのか、このチームが旗印として掲げることを決めていく必要があります。この段階ではビジネスの数値目標よりも課題とユーザの課題が優先です。そのために、私たちは以下のツールを使いました。
- リーンキャンバス(課題とユーザを仮定)
- ビジネスモデルキャンバス(ソリューションとお金の流れを考える)
上記はあくまで考えを整理するためのフレームワークやツールです。大事なことはそれを通じて我々がどう考えているか、どのようにソリューションに近づいているかで、それは一日二日考えただけでいいものに仕上がるとは思っていませんでした。
そのため、1回作って終わりにはせず、本部長との壁打ちをしながら2回作ることにしました。
なお、私たちの議論については基本的にSlackのオープンチャンネルで行うことにし、興味のある方は中間成果物も見てもらえるような状態を作りました。
気持ちが上がらない1回目
というわけで1回目作ったんですが、作った後に自分たちで見直した段階から気分が上がらないことに気づきました。これは壁打ちしていても同じでした。理由は クラスメソッドでなければできないことがなかった ことに尽きます。自分たちでも興奮するような独自性やビジョンがないため、この仕事をしていて楽しいと思えそうになかったのです。
そのため、壁打ちでもそれを正直に伝え、フィードバックをもらった後でもう一度作ってみることにしました。
現場の声を聞く
1回目のリーンキャンバスができた時点で、それを見てもらいながらCX事業本部で実際に案件に携わっている各チームから、実際に現場で感じている課題や「内製化」というキーワードにかける期待などをヒアリングをしました。
何かを掴んだ2回目
そして2回目です。各チームへのヒアリングを並行しながら作っていきました。そこで聞くことができたクラスメソッドへの期待感、クラスメソッドの特徴と、その特徴で解決できる課題は何かを考えていった結果です。これで何かを掴みました。まだまだ言葉としては洗練されているわけではないですが、この仕事で楽しめそう、という感触がありました。
後述のプレスリリースの段階が決まったため、3回目のサイクルに入るのではなく、対外的にアピールするためのアウトプットを意識することにしました。
プレスリリースの日が決まる
そうこうしている内に、AWS内製化推進パートナーへの参加とそこに合わせたプレスリリースが決定いたしました。この段階ではまだ提供するサービスの詳細までは決まっていないので、プレスリリースまでの1ヶ月強でサービスを説明する営業資料までまとめる必要が出てきました。
せっかくだからアピールしたいよ!コピーが降りてきた(2021年2月)
社外に向けてビジネスをスタートさせるスケジュールが決まりました。ユーザや課題が決まってきて、私とがおりゅーさんの間でも共通認識を持てるようになってきたため、次の段階はサービスの形と実際に提供することができるメニューを固めていくことです。
2月に主にやってきたことは、
- チラシ作成(自分たちで説明するためのもの)
- 各部への壁打ち
- サービスページのための各種ドキュメント作成
です。
チラシを作ろう、(内部向け)コピーができた!
ここでいう「チラシ」は、これから提供しようとするサービスを短い言葉や画像で説明することを目的として、キャンバスが固まってきたら作ろうと1月の段階から計画していたものです。一枚のチラシに、
- サービスを表すキャッチコピー
- サービス全体の説明
- 課題感
- サービスメニューの大項目
を入れる構成で作りました。初めての人に説明できる内容にするまで考えることで、キャンバスに書いたやりたいことを洗練させました。この時に別ブログで書いたようなコンセプトが固まりました。
各部に壁打ち
チラシ作成と事業本部内での壁打ちを通じて、このサービスは関連する部門をCX事業本部に限らず、他の部門とも横断的に関わりながら展開していく必要があると感じるようになりました。また、社内の他部署においても「内製化」や「自走」といったキーワードが全社向けの発信に含まれるようになったため、内製化をサービス名として掲げる以上は「クラスメソッドが考える内製化」に統一見解を用意しておかないとお客様が混乱すると感じました。
そこで、この段階までで考えていることを知ってもらい、他部署で実施しようとしていることや期待値などを教えてもらうため、チラシを各部に見てもらう時間を調整してフィードバックをもらうようにしました。この活動を通じて、私たちがやっていこうとする仕事をクラスメソッドの中でより大きな意義のある仕事として捉え直すことができました。
内製化のステップモデルができた
さて、その後はプレスリリースと営業資料のための成果物作りです。ここはマーケティングと欲しいアウトプットの形を詰めて、そこに合わせて議論を進めながら作っていきました。
ここでの一番大きな成果は以下の図です。
内製化を進めていく上でのステップと達成イメージをお客様と私たちで共有するためのモデルです。この図ができたことで「何をすることを伝えるか」が明確になり、サービスメニューが一気に固まりました。
リリース今月だってね、追い込み!後は腹をくくろう(2021年3月)
3月は2月からのタスクをプレスリリースまでに間に合うように進めていった月になります。マーケティングの協力もいただきながら、なんとかプレスリリースを滞りなく出すことができました。
もちろん、営業的にはここから始まるのでむしろ本番はこれからです。営業的にも非常に良い滑り出しをできているとは思いますが、サービス内容にもコンセプトにもまだ改善の余地はあります。リリースしたことで安心せず、お客様からもフィードバックをいただいてより良いものにしていきたいと思います。
まとめと所感
というわけで、企画が形になってリリースされるまでにやってきたことを振り返ってみました。注意点としては、クラスメソッド全社でこのようなやり方を取っているわけではありません。今回は私とがおりゅーさん二人が中心メンバーでやっているため、この二人にとってわかりやすいやり方を議論しながら選択していったらこうなった感じです。
この期間に思っていたこととしては、
- 網羅的なタスク管理がしづらいので、短期の見通しで動き出す方が良い
- 今の状態を認識する対話の質が全てを左右する
- 壁打ちする人は多い方がいいけど、意思決定する人は少なければ少ない方がいい
ということです。上記に従ってやることを細かく調整していってたように思います。責任をなるべく集中させながら、計画よりも目的に向けて適応させながら進めていくやり方が企画を形にまとめる上では有効だと感じました。過去にもこのフェーズを担当したことはありますが、その時には最初の計画に囚われすぎてうまくいかなかったのか、という反省にもなりました。
今回は進め方について書いたので、いずれツールをどう使ってきたかについても触れていこうと思います。